あなたはウンチ触れますか?体で知る命の仕組み

目安時間:約 11分

お天気に恵まれた先週の金曜日のこと。ガタン、ゴトン。柵で仕切られた牧草地の間のでこぼこ道を私は車で走っていた。右手に茶色や黒の毛皮に、ぐるぐるの角を付けた羊たちが草を食べている。左手には馬だ。白い馬が二頭、茶色い馬も二頭、それぞれめっちゃ仲良くかけっこしたりして遊んでいる。

その先に、近代的な牛舎とたい肥を作る工場が見えてきた。入り口には消毒液のプール。ふんふん、ここでタイヤに着いた菌を落とすんだね。


ここは山梨県上九一色村にある日本獣医生命科学大学の付属牧場。


富士宮市倫理法人会で知り合ったおもしろいおじいちゃんが ここで生命科学の授業をしていると聞き、講義を聞きにやってきたのだ。

その方、中島さんは、静岡県富士宮市朝霧高原の牧場で、60年にわたり牛と共に生き、牛乳を生産している酪農家。気のいいおじいちゃんって感じのすっごく気さくな人。70代にして留学経験もあり、宇宙の話もエロい話もOKなグローバルなハイパーおじいちゃんなのだ。


そんな破天荒な中島さんの講義は、やっぱりグローバル感半端なかった!

農業人にとって最も重要な、命の仕組みを伝える中島さん、やっぱりただの破天荒なおじいちゃんじゃなかった!

有機物の循環

中島さん「あなたはどこから来たの?」

生徒A「埼玉県です」

生徒B「熊本です」

中島さん「じゃあ今どこにいるの?」

生徒A「山梨県です」

生徒B「試験牧場です」

中島さん「山梨?牧場?それはどこにあるの?自分がどこから来て、今どこにいるのかわからないと農業はできないよ。」



中島さんは、 のっけから生徒たちを混乱させていた。牛乳の試飲から始まった和やかな講義に安心していた生徒を襲ったのは、いきなり繰り出される高度な質問。中島さんについて来れる生徒はいるのか?


スケジュールの関係で全員の覚醒を待つ時間はない😵

答えは地球☆


市とか県とか、国とか、そういう人間が作り出した観念は自然の中で通用しないよっていうこと。

農業や林業、漁業のような自然を相手にした生産者は、宇宙の流れの中にいるんだという認識を持て!ということなんだろうね。



自然界のものは全て、宇宙の法則ー太陽が地球の与える影響、月と地球の引力、潮の満ち引きーから逃れることはできない。当たり前のことなんだけど、現代社会はあまりにも自然と離れてしまっているから実感しにくいよね。農業大学に通っている生徒さんでさえ。


この法則は地球に、ありとあらゆる有機物が微生物によって分解され土に還り、その土が命を育てるという循環を作っている。

動物が死んだらどうなる?

微生物が分解して土になる。

じゃあ、命の誕生は?

土から種が芽を出す。でも土がカラカラに乾燥していて栄養成分がなかったり、ガッチガチに固まっていると種が芽を出せない。

同じように動物も健康な体がないと命が育たない。牛も、人間も。


健康の3つの条件

では健康な体はどうやって作られているか?


きれいな空気

動物は空気がなければ3分くらいで死んじゃう。生きることと空気はセット。その空気を作っているのは緑の植物。その植物を育てているのは土だから、きれいな空気を作っているのは土。


きれいな水

動物が生きるのに次に必要不可欠なのが水。食べ物がなくても水だけで動物は何日かは生きられる。水を浄化しているのは土。土の中にいる微生物が水をきれいに分解してくれている。だからきれいな水を作っているのは土。

食べ物

動物の体を実際に作っていくのは食べ物。毎日食べるもので体ができている。穀物や野菜は土が育てる。牛や豚、鳥などは、土が育てた穀物や野菜を食べて育つ。だから食べ物を作っているのは土。

健康を作っているのは土

動物の健康を作っているのは土だってわかったけど、前述したように、土はカラカラだったり固まっていたりすると命を生むことができない。じゃあ健康な土はどうやったらできるの?

健康な土を作るたい肥

自然に有機物が微生物によって分解されることが一番健康な土ができる方法なんだけど、現代社会では、排泄物はし尿処理施設、ゴミはごみ処理施設、作物も単一栽培、と自然の生態系に沿ったものになってない😢


そんな中、ここで取り組んでいるのがたい肥作り。微生物がたっぷり含まれたたい肥を混ぜることで土を健康にする取り組みだ。実際に牛糞が腐葉土と混ざり微生物によって発酵する様子を見学させてもらった。

たい肥工場入り口で、この講義最大の難関が待ち構えていた!なんと中島さんから牛糞を触れ!という指令が!

そもそも、自分のウンチって触れる?中島さん曰く、一瞬前まで体の中にあったものなのに、体の外に出た瞬間、汚くて触れなくなってしまうのは変じゃないか?と。


本来ウンチは体の中からの大切なお便り。汚いというのは人間の観念でしかないわけ。赤ちゃんも動物もウンチを嫌がったりしないもんね。

というわけで、自分のウンチではないにしても、牛のウンチを触って、愛おしく感じながら土に変わっていくのを体験しましょうという最強のミッション!


受けて立とうじゃないの。どれどれ、牛のウンチって…?

うわあ、なんか思ったより柔らかい。匂いもヨーグルトのような乳酸臭で、全然ウンチ臭くない。


そのウンチをつけたままの手で、混ぜ始めのたい肥、半分発酵が進んだたい肥、発酵がもうすぐ終わる土に近い状態のたい肥にそれぞれ手を突っ込んで、手触りや温度を体感させてもらった。



最初はゴツゴツしたりねちょねちょしているたい肥が、サラサラの土になっていく…。90度にもなる熱さは微生物が活発に活動しているから。まるで生き物のような熱気だ。牛糞たい肥の匂いなんて全然しない。これが本当のたい肥なの?


ここまで微生物の働きを引き出せているのは、命の仕組みに沿った循環だからなんだなあ。それは頭で考えて作り出しているのでなく、毎日牛と藁とウンチと草と向き合って手を動かしているからできること。

気づいたらウンチの付いた手がサラサラに。土のいい匂いがした。

健康な土で育った作物

講義の最後は牧草の食べ比べ。

中島さんの牧場では牛が良く食べる草と、食べ残す草があるのだそうで、それを土ごと引っこ抜いたものが教材。


土や根を見ると歴然とした違いがある。土の匂いも草の味も全然違う。

牛が食べ残す草は土が硬く空気が入っていない。根も太く長いが少なく、アクが強く美味しくない。よく食べる草は土がふわふわで、細く短かい根がたくさん出ていて、いい香りがして美味しい。 ふわふわの土を団粒構造と言って空気が通るから微生物が住めるため、美味しい草ができるそうだ。


まとめ

ハイパーおじいちゃん中島さんは、命の仕組みを語るスペシャリスト。本当にすごい人だった。

私達は生き物だから、生き物の仕組みに沿っていろんな物事を考えていくのが一番間違いがないんだと改めて教えてもらった。

ふだんものすごい量の情報に晒されているから、ともすると体験より知識を尊重してしまいがちだけど、やっぱり自然の中で手を動かして実験をしてみないとわからない。自然って人知を超えてるもん。自然は私達が考えているよりずっとずっと深い!


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命の仕組みをもっともっと知りたくなって、農業塾を立ち上げることにしました!

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ゆるベジ料理スペシャリスト

厳格なマクロビアンの家庭で育ち過食症に。克服した経験と、自然食品店勤務20年の経験を元に、簡単に作れて、美しく、食べておいしいゆる~いマクロビオティック料理の教室を主宰しています。/リマクッキング富士宮校講師歴10年/映画と読書とお酒が大好き/10代後半の子供二人と、単身赴任中で週末だけ帰ってくる夫と静岡県富士宮市に住んでいます。/自分の体を信じることで自然に健康になっちゃう考え方やレシピを配信しています。

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