調味料の秘密1 しょうゆ編

目安時間:約 9分

あなたは調味料をどんな風に選んでいますか?値段?表示?口コミ?


今日の記事は醤油を選ぶ時に役に立つかもしれません。


今日は美味しいごはんを作るのに欠かせない調味料シリーズ第一弾、「醤油」の話です。

目次

原料は?

醤油作りってすごく難しいってイメージあるけど、実は醤油の原料はとてもシンプル。基本的には大豆、小麦、塩、麹菌だけ。

大豆は茹でたり蒸したりして柔らかくし、小麦は炒って砕いて、菌が繁殖しやすい状態を作ってあげる。

作り方は?

蒸した大豆と砕いた小麦を混ぜたら麹菌をつけ、高温多湿の密閉された空間に3日間ほどおいて繁殖させる。

醤油作りでは「一麹、二櫂、三火入れ」と言って、麹づくりは一番重要。いい麹ほどたくさんの酸素を供給できて、旨味と香りの高い醤油になるんだって。

麹が繁殖したら、塩水を混ぜて通常は半年〜3年の発酵熟成タイム。

その間に行う攪拌作業が大切で、『二櫂」と呼ばれてる。かき混ぜることが、乳酸菌や酵母菌の育成に大きな影響を与える。

加える塩水の水分量や、桶で仕込むかタンクで仕込むか、でも味に違いが出てくる。

熟成が終わったら、布で包んで圧力を加え、液体(醤油)と醤油粕に分離させる。布で包んだ諸味を均等に何十段と重ねて、その重みで醤油の滴が落ちてくる仕組みで絞っているところが多い。

絞った醤油に熱を加える火入れをして完成✨

醤油の種類

醤油は製法で分けると三つの種類に分けられる。

本醸造

原材料が大豆、小麦、食塩などのシンプルな原料で発酵熟成したもの

混合醸造

本醸造で発酵させる時に、アミノ酸液や酸素分解調味料、発酵分解調味料を加えて発酵熟成させたもの。

混合方式

本醸造方式で作った醤油にアミノ酸液、酸素分解調味料、発酵分解調味料などを混ぜたもの。


醤油の種類でいうと5つに分けられる

白醤油

小麦が9、大豆が1の割合で作られた色が最も薄い醤油。熟成期間も短く旨味も薄いので、素材の色や味を活かす時に使う。

淡口醤油

白醤油より大豆の割合を増やして淡い色がついた薄口醤油。素材の味、色を活かすしょうゆ。

濃口醤油

一番流通量が多い、一般的な醤油。市場の8割を占める。原料の大豆と小麦の割合が半々。大豆が多いと色が濃くなり旨味が増す。万能にどんなお料理にでも合う。

再仕込醤油

醤油作りでは、麹が出来上がったら塩水を入れて発酵に入るけど、その塩水の代わりに醤油を使って作る醤油。2倍の時間がかかる贅沢な製法。旨味が強い。つけ醤油に最適。

たまり醤油

大豆9〜10、小麦1〜0の割合で、仕込水を少なくして旨味を凝縮させた醤油。熟成期間も長いので、濃く、独特の風味。旨味トップクラス。小麦アレルギーの方が使える醤油。

大手メーカーと伝統製法の醤油の違い

大手メーカーは状況に左右されず、きちんと平均的をとることに力を注いでいる。

ブレのない味の醤油を安価に大量に流通させることで、日本の食文化を下支えしているし、平均点自体をあげる努力もしていると思う。

だから味と経済性のバランスをとるために、脱脂加工大豆を使ったり、分解調味料を加えて発酵時間を短縮したり、塩分を控えたり、旨味を補うためにアルコールを添加することもある。



伝統製法の醤油メーカーは、平均点が取れないリスクがあっても、伝統の味を守るということに力を注いでいる。


熟成時間をじっくりとるので、発酵を促したり、足りない旨味を足すための添加物を入れずにおいしい醤油を作ることができる。

でもそのかわり安定して大量に流通させたり、安価に出荷することはできにくい。


どちらもメリットデメリットがあるので、選ぶときの参考にするといいよね。

まとめ

一口に醤油と言っても、メーカーは星の数ほどあるので、一概に言えないことが多いんだけど、独断と偏見でざっくりと分類してみました。


数ある醤油の中で、私が伝統製法の醤油を使うのは、蔵に棲む酵母菌が長い時間をかけて醤油を醸していく時に、そこにしか生まれない味があると思っているから。


丸大豆を使った醤油は大豆を作った人の思いも一緒に醸せるような気がして、それを買うことで応援したいとも思う。


何より、まろやかさと深みのある旨味が、淡白な野菜料理を美味しくしてくれるんだよね。


すっかり長くなっちゃって…。最後まで読んでいただいてありがとうございました(^ ^)
あなたの醤油選びの参考になればうれしいです。


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ゆるベジ料理スペシャリスト

厳格なマクロビアンの家庭で育ち過食症に。克服した経験と、自然食品店勤務20年の経験を元に、簡単に作れて、美しく、食べておいしいゆる~いマクロビオティック料理の教室を主宰しています。/リマクッキング富士宮校講師歴10年/映画と読書とお酒が大好き/10代後半の子供二人と、単身赴任中で週末だけ帰ってくる夫と静岡県富士宮市に住んでいます。/自分の体を信じることで自然に健康になっちゃう考え方やレシピを配信しています。

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