スタンリー・キューブリック監督の名作「シャイニング」は、タイトルの通り、人の輝きを描いた映画。
原作者のスティーブン・キングは、人間を洞察力豊かに、心の闇をえぐり出して描き上げる天才。ストーリーテラーとしても知られ、キャリー、グリーンマイル、デッドゾーンなど、小説も映画も超おもしろい!
以前この映画を観たのは20年以上前。その時、この映画の言う輝きは息子のダニーの異能力のことなんだと思った。でも、最近になって観たらずいぶん違う印象を受けて驚いた。
ダニーの父ジャックは、雪深い山奥のホテルの冬季閉鎖中の管理人として働くことを決めた売れない作家。ホテルには以前管理人として勤めていて、孤独感から精神を病み娘たちと妻を殺した人の霊が残っていた。
ダニーは目に見えない何かと交信する能力を持っていて、このホテルに残っている惨殺された娘たちや母の霊におびえていた。
「お前の言うことを聞かないやつらは殺してしまえ」という霊の誘いに簡単にのっちゃう弱いジャック。それに対して、弱々しかった妻は息子を救うために夫に立ち向かう。
霊とつながることができる才能を持つ息子やコックの黒人は、物語の中で重要な役割を持っているけど、その才能は現実を動かさない。コックはすぐに殺されてしまうし、息子が逃げ切るのも才能のおかげではない。
現実を動かすのは、息子を助けたいという母の強い意志なのである。ダニーはもちろん輝きを持っている。でもそれと同じくらい、いやそれ以上に母の意志は輝いている。
そう。私たちも同じ輝きを持っている。強い想いはものすごい輝きなのだ。
例えばあなたが今これを読んでいるパソコンやスマホは、誰かがそれを作りたいとずーーーっと考え続けた結果できたもの。今座っている椅子や、乗っている電車、飲んでいるコーヒー、全部そう。
そしてあなた自身の現在も、あなたが思い描いた通りになっている。
もしあなたが独身でバリバリ働くキャリアウーマンでも、子供二人の子育てが終わってパートで週3日働き始めた主婦でも、土日を全部部活に費やし平日も8時まで学校を出られない高校教諭だとしても、今のあなたは、あなたが選んだことが積み重なってできている。
自分の想いに沿って選択しているんだもんね。
だから自分の想いをよく聞いてあげて、ピカピカに磨いてあげてね。そしたら、輝きはどんどん増して、あなたはどんどん自分らしくなる。
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